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2010年2月12日から第21回冬季オリンピック大会が、
カナダのバンクーバーで行われます。
夏季大会よりも遅れて始まった冬季オリンピックは
どのようにして生まれたのでしょうか。
冬季オリンピックの始まりと歴史、日本で行われた大会、
日本選手の活躍を紹介します。
近代オリンピックの父“ピエール・ド・クーベルタン男爵”は、当初はオリンピック競技種目の中に冬季競技を導入する事には否定的でした。
しかし、実際には1908年ロンドン五輪ではフィギュアスケートが、1920年アントワープ五輪ではアイスホッケーが実施されていたため、
国際オリンピック委員会が、第8回オリンピック大会から冬季競技を独立させようと考えました。
そこで強く反対したのはスキー・スケートの先進国とみられていた北欧の国々でありました。
自分達の国以外でウィンタースポーツの大会が満足に行われるはずがないのと、オリンピックにお株を奪われれば先進国としての面目が
つぶれるという考えが理由でした。
こうした雰囲気の中、あくまでテスト・ゲームとして行われた大会は折からの天候に恵まれ、フランスの小さな町・シャモニの住民の人々の
協力もあり大成功を収めました。
そのうえ、反対の立場だった北欧の国々も積極的に参加して先進国としての貫禄を示したことは、冬季大会の前途を明るくするものでした。
そして翌年、プラハのIOC総会で『第1回冬季オリンピック競技大会』と正式に認定され、ここに冬季オリンピックが誕生しました。
この時の参加国は地元フランスをはじめ16カ国、競技種目はスキー、スケート、アイスホッケー、ボブスレーでした。
日本はスキー選手を派遣する予定でしたが、前年に関東大震災に見舞われたため実現しませんでした。
冬季オリンピックのはじまり
イタリア北東部のアルプス山中・ドロミテ山群の高級スキーリゾート地、コルティナ・ダンペッツォで開催された大会。
この大会は、冬季オリンピック史上初のメダル獲得を実現した大会となりました。アメリカでトレーニングを積んでいた猪谷千春選手が、
アルペン種目の回転競技(スラローム)で銀メダルを獲得したのです。
猪谷選手は雪を求めて北国を回り、米国留学、欧州遠征を積むなど、才能と努力の上に環境にも恵まれていたようです。
なお、猪谷千春氏は後に日本とIOCのパイプ役として活躍し、日本人としてただ一人のIOC理事として日本のウィンタースポーツ界に君臨、
長野の冬季オリンピック誘致成功にも貢献しました。長野冬季オリンピックでは表彰式でメダルの授与も行っていました。
日本人初のメダル(第7回コルティナ大会)
念願だった札幌市開催のオリンピックはアジアで初めての冬季大会となりました。
実は、札幌は1940年にも冬季大会の開催地に決定していたものの、第二次世界大戦のために中止された経緯があり、
札幌市民悲願のオリンピック開催でした。
今回の開催決定にはドラマがありました。 1972年冬季大会の開催地を選出するローマでのIOC総会での事です。
その総会に出席出来なかった高石真五郎委員の「マイ・フレンズ…」で始まる病床からのテープによるスピーチは、多くのIOC委員に深い感銘を与え、
それが開催地を決める際の投票に影響したと言われています。
この大会での話題は、70メートル級ジャンプ競技での日本選手の金・銀・銅メダル独占でしょう。
金メダルの笠谷幸生選手は、大会直前に行われた「ヨーロッパ・ジャンプ週間」で開幕から3連勝し、金メダル候補の筆頭でした。
笠谷選手はこの好調を維持し、オリンピック本番では見事なジャンプを見せて金メダルを獲得しました。
銀メダルの金野昭次選手、銅メダルの青地清二選手と共に“日の丸飛行隊”と称えられ、英雄となりました。
この後、冬季オリンピックやワールドカップなどで日本のジャンプ陣を日の丸飛行隊と呼ぶようになったのです。
アジア初の冬季大会(第11回札幌大会)
日本女子初のメダル獲得(第16回アルベールビル大会)
フランス・アルプスの表玄関のような町、アルベールビルを中心として開催された大会。
スピードスケートが屋外で行われた最後の冬季オリンピックでもあります。
今大会は、冬季大会で女子選手が初めてメダルを獲得しました。
フィギュアスケートの伊藤みどり選手は、女子選手では冬季オリンピック史上初めてトリプル・アクセル(3回転半)ジャンプを決めて銀メダルに輝きました。
また、スピードスケートの橋本聖子選手が悲願の銅メダルを獲得、その後も冬季大会のみならず夏季大会の自転車競技にも参加し、
橋本選手はオリンピックでは欠かせない存在となりました。
さらに、ノルディック複合団体ではスキー競技では20年ぶりとなる金メダルに輝きました。
札幌大会の後、スキー界はジャンプと距離を合わせたノルディック複合に着目、強化を進めたのが功を奏したのです。
1994年に実施された第17回リレハンメル大会でも、日本は再びノルディック複合団体で金メダルを獲得しています。
26年ぶりの日本開催(第18回長野大会)
1972年の札幌大会以来、26年ぶり2度目の日本開催となった長野大会。
大会1ヶ月前までは雪不足で心配されましたが、直前になって充分な降雪があり、無事に大会本番を迎えることが出来ました。
カーリングがメダル競技として初登場、アイスホッケーでは女子の部が加えられるなど、7競技68種目となりました。
“美しく豊かな自然との共存”を合言葉に、競技施設や選手村での什器、関係役員の公式ウエアなどにまで、
環境問題に開催国日本として最大限の配慮をしました。
今大会では、日本は5つの金メダルを獲得する大活躍となりました。
まず、スピードスケートの男子500メートルでは、清水宏保選手が完璧な滑りで見事金メダルに輝きました。
清水選手は世界記録保持者の貫禄を見せ、スケート競技で日本初の金メダリストとなりました。
清水選手は次の第19回ソルトレークシティ大会でも同じ競技で銀メダルを獲得しています。
さらに、フリースタイルスキーの女子モーグルでは、この競技初となる金メダルを獲得した里谷多英選手、
7位入賞の地元出身高校生・上村愛子選手の活躍が光りました。このおかげで、日本国内のモーグル競技人口が飛躍的に増加しました。
里谷選手は次の大会でも銅メダルを獲得しました。また、上村選手は2010年開催のバンクーバー大会でも活躍が期待されています。
今大会で日本が最も期待したのが、スキージャンプでした。
特に団体戦は金メダルの最有力種目とあって、入場券の前売りは早々に完売したほどです。
前回の第17回リレハンメル大会ではあと一歩のところで金メダルを逃していたので、日本の
ジャンプ陣は雪辱に燃えていました。
激しい雪が降る最悪のコンディションの中、原田雅彦選手や岡部孝信選手の大ジャンプに
よって金メダルを獲得し、原田選手の感涙とともに日本中に感動を与えました。
なお岡部選手は、バンクーバー大会のジャンプ競技に出場することになっています。
女子フィギュア初の金メダル(第20回トリノ大会)
イタリアで冬季オリンピックが開催されたのは、1956年の第7回コルティナ大会以来、実に50年ぶりとなりました。
トリノ市はイタリア北西部のアルプスの麓の都市で、ローマ・ミラノに次ぐイタリア第3の都市です。
大会前はフィギュアスケートやスピードスケート、モーグルなどの種目でメダル獲得の期待がかかっていましたが、
大会終盤まで日本はなかなかメダルを獲得できない状況が続きました。
そんな中、大会終盤に行われた女子フィギュアスケートでは宮城・東北高校出身の荒川静香選手が見事な演技を披露し、
女子フィギュアスケートでは日本人初となる金メダルを獲得しました。
この時、荒川選手の得意技“イナバウアー”が話題となりました。
また、大会前はほとんど注目されなかったカーリングのチーム青森が強豪国相手に健闘したのが光りました。
このおかげで、カーリング人気が高まり、2010年バンクーバー大会でも大いに期待されています。
そして、2010年バンクーバー大会が2月12日から2月28日にかけて行われます。
今大会も日本選手の活躍に期待しましょう。
| 冬季大会年表 |
| 第1回・1924年・シャモニー大会(フランス) |
| 第2回・1928年・サンモリッツ大会(スイス) |
| 第3回・1932年・レークプラシッド大会(アメリカ) |
| 第4回・1936年・ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会(ドイツ) |
| 第5回・1948年・サンモリッツ大会(スイス) |
| 第6回・1952年・オスロ大会(ノルウェー) |
| 第7回・1956年・コルチナ大会(イタリア) |
| 第8回・1960年・スコーバレー大会(アメリカ) |
| 第9回・1964年・インスブルック大会(オーストリア) |
| 第10回・1968年・グルノーブル大会(フランス) |
| 第11回・1972年・札幌大会(日本) |
| 第12回・1976年・インスブルック大会(オーストリア) |
| 第13回・1980年・レークプラシッド大会(アメリカ) |
| 第14回・1984年・サラエボ大会(ユーゴスラビア) |
| 第15回・1988年・カルガリー大会(カナダ) |
| 第16回・1992年・アルベールビル大会(フランス) |
| 第17回・1994年・リレハンメル大会(ノルウェー) |
| 第18回・1998年・長野大会(日本) |
| 第19回・2002年・ソルトレークシティ大会(アメリカ) |
| 第20回・2006年・トリノ大会(イタリア) |
| 第21回・2010年・バンクーバー大会(カナダ) |
| 第22回・2014年・ソチ大会(ロシア) |